radikoアプリで今日ラジオを聞いていたら、東京ガスのこんな広告が流れた。一言一句違えず暗記しているわけではないけれど、流れはこんな感じ。
(どこかに電話をかける女性の声)
「キャンセル料ってかかりますか?」
(電話先の相手が応答する)
「いえかかりませんよ。お風呂はいつでもあなたを待っています」
(お風呂に入る音)
「お風呂、キャンセルしなくて良かった〜!」
あくまで推測にすぎないけれど、この広告は風呂キャンセルされることによってガスの使用量が減ってしまうことを危惧したことをきっかけに考案されたものなのではないか。
もちろんそれ自体を否定する気はまったくないのだが、これって絶対風呂キャンセル界隈の人が作ってる広告ではないよなというのが正直な感想。
そもそもポップに「風呂キャンセル」と言ってはいるが、能動的にキャンセルしているわけではないのだ。疲れていたり面倒だったり気力がなかったり。さまざまな理由でお風呂に「入れない」。「入らない」のでは決してない。入りたい気持ちや入らなくてはいけないという気持ちはすごくあるのだ。それでも「入れない」のが風呂キャンセルである。
その背景を捨象してさも自分からキャンセルしているように描いているこの広告を見ると、「なんだかな〜」と思わずにはいられない。「じゃあ経験したことのないことについて広告をつくっちゃいけないのかよ?」と言われてしまいそうだから、あまり大きな声では言いづらいのだけれど。実際に風呂をキャンセルしている人びと(ターゲット)に対する、作り手の解像度が低い印象を受けた。