Twitterを1日12時間やっていた
私自身が1999年生まれということもあり、生まれたときからインターネットが当たり前にあって、思春期にはすでにSNSを利用していた。
そういう中で育った結果、長時間のスクリーンタイムが常態化していた。特に大学時代は、1日のTwitterアプリ利用時間が12時間と、寝ている時間以外のほぼすべての時間をインターネットに費やしていた。その傾向は社会人になってからも変わらず、土日のスクリーンタイムは10時間超。
しかし、はたと気づいたのであった。そこまで必死に情報を取りに行って、意味があるんだっけ?と。
正直SNSで流れてくる断片的な投稿よりも、新聞や海外の雑誌の記事のほうが質は高い。
それに、トレンドに乗り遅れたくないと思っていたけれど、近年は流行りの周期が短くなっていくばかりで、追いついても追いついてもすぐに次の波が来る。
こんなことを繰り返していてはダメだ。
『デジタル・ミニマリスト』を読んだ
この本で提唱されている「デジタル・ミニマリズム」を一言で表現するならば、「自分が大事だと思う物事に集中するためにテクノロジーとの付き合い方を考え直す」こと。
ポイントは、完全にデジタルを排除しようとするのではなく、オフラインでの生活を豊かにするものであれば厳選してツールやテクノロジーを使用するというところである。
本書では、人間の生活の満足度を向上させるためには、家族や友人とのリアルな社交、そしてその後に一人で内省をする時間。この2つの時間を行き来することが大事だとされている。
そしてスクリーンタイムとオフラインの時間(社交の時間・内省をする時間)はトレードオフの関係にある。
だからスクリーンタイムを必要最小限に抑える必要がある。とはいえインターネット上にももちろん価値あるコンテンツもあるので、自分にとって本当に価値あるものに絞ってデジタルを取り入れようという考え方。
私自身もこの考え方に非常に共感していて、アテンション・エコノミーに対抗する手段として「デジタル・ミニマリズム」を取り入れていきたいと思っている。
そして同じようなことを考えているのは、私だけではない。
SNS疲れ
この頃、Xをまったく見なくなった。疲れるからである。
Xに限らず、SNSでは日々インフルエンサーたちが企業から依頼を受けて商品の紹介をしている。最近バズっている投稿として流れてくるのは商品紹介ばかりで、常に「あれを買え」「これを買え」と言われているような気分になる。「買う/買わない」「欲しい/欲しくない」のジャッジをさせられ続けるのだ。これをいちいち真に受けていたら消耗してしまう。
このことについてはPodcast「りっちゃ・りょかちのやいやいラジオ」でも語られている。
https://open.spotify.com/episode/6z1BcAIeNKWrDz5arlCJ9K?si=NnJDsZYZRhGV_jshmv0Giw
まさに今、多くの人が感じ始めていることなのだ。時代の空気と言っても良いだろう。
無料で読めるコンテンツの質が落ちている
SNSをやめて、インターネット上で良質なソースだけをチェックしたい。そう考える人も多いだろう。
しかしここで問題になるのがペイウォールである。
感覚として、以前は無料で得られていた情報が、今ではお金を払わないと読めなくなってきているのを感じる。デジタルな新聞記事も雑誌も、「ちゃんとした情報」を手に入れようと思ったら1つ1つのサイトに課金する必要が出てくるのだ。
もちろん「お金を払ってもらえないとコンテンツは見せられない」というメディア側の事情は至極真っ当なので、そこに文句を言うつもりはない。
しかしこの現象、裏を返せば、無料で手に入れられる情報の質が下がってきているということなのだ。
ウェブ広告の汚染
アダルト系のウェブ広告が多いこと、広告が多すぎてサイトの可読性が下がっていることから、アドブロッカーを使用する人も増えてきている。
大きな声では言えないが、かくいう私自身もスマホにアドブロッカーを入れている。
アドブロッカーを使う人が増えると、サイト運営者にとっては「無料で読ませてあげて広告収入で儲ける」という稼ぎ方ができなくなる。これにより、定期購読者や記事を単品購入した人しかコンテンツを閲覧できないようなしくみに変える必要がでてくる。
このようにして、無料で読めるコンテンツの質は下がり続けるのだ。
みんなで本を読もう
そんな状況下で、私たちは一体どうすれば良いのだろうか。
個人的見解では、本や雑誌などのメディアに回帰するしかないと思っている。最初からお金を払って質の良い情報に触れるのが一番効率が良いからだ。
しかし今や、出版社も新聞社も苦しい時代。存続してほしいオールドメディアは軒並み発行部数の減少に悩んでいる。
買い支えたいと思って私は新聞を2紙定期購読し、雑誌は月に5冊以上、本も月に10冊以上は買って読んでいる。
しかし、一人の努力ではどうにもならない。
だからみんなで、新聞を読みませんか。雑誌を読みませんか。本を買いませんか。
ネットメディアが終わった後の世界で、信頼できる情報にアクセスし続けられるように。
物価高や円安。上がらない給料。 厳しい時代ではあるけれど、守るべきものは守っていきたいですね。できる範囲で。無理のない範囲で。